日本歴史地名大系 「一之坂」の解説 一之坂いちのさか 京都府:宇治市宇治郷一之坂旧奈良街道の宇治橋西方、宇治丘陵にかかる所の坂をいう。仁平三年(一一五三)一一月の藤原頼長の春日詣の通路を示す「台記別記」同月二六日条に「及午刻着宇治、乗船渡河、(中略)至大和大路南行、至一坂聴御前々行、(中略)至八幡伏拝、下車礼之」とみえるから、古代以来のものであったことが知られる。宇治郷中心集落の西端に位置する所で、「大乗院寺社雑事記」に明応四年(一四九五)一月頃には「神明ノ北」に新関が設けられ、人別五文・荷物不定の関銭を取ったとあるのも、この坂の上辺りであったと推定される。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報