にし

精選版 日本国語大辞典 「にし」の意味・読み・例文・類語

に‐し

  1. [ 1 ] ( 完了の助動詞「ぬ」の連用形過去の助動詞「き」の連体形「し」の付いたもの ) ⇒にき
  2. [ 2 ] ( 格助詞または断定の助動詞「なり」の連用形「に」に副助詞「し」の付いたもの ) 「に」を強調して表わす。
    1. [初出の実例]「八千矛(やちほこ)の 神の命 萎(ぬ)え草の 女(め)邇志(ニシ)あれば」(出典古事記(712)上・歌謡)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「にし」の意味・わかりやすい解説

ニシ
にし / 辛螺

軟体動物門腹足綱に属する巻き貝のうち、主としてアクキガイ科の種を中心につけられた俗称。このうち、イボニシ疣辛螺)などは食べてみるといくぶん辛味があるので、カラニシ辛螺。転じてこの漢字がニシにあてられる)などとよばれる。巻き貝に関する和名にはニシのほかにも、ボラ(法螺。主として大形紡錘形の堅牢(けんろう)な巻き貝に多くつけられている)、ニナ(蜷。小形の細長い巻き貝に多い)などの語尾がつくものがあるが、それらの使い方は分類によるものではなく、したがってつけ方に確固とした法則があるわけではない。たとえばニシの語も、アクキガイ科以外の種の語尾につくことも多く、たとえばタニシ(タニシ科)、オキニシ(オキニシ科)、キキョウニシ(カブラガイ科)、ナガニシ(イトマキボラ科)、テングニシ(コブシボラ科)などをあげることができる。

[奥谷喬司]

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