万物帰新説(読み)ばんぶつきしんせつ(その他表記)apokatastasis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「万物帰新説」の意味・わかりやすい解説

万物帰新説
ばんぶつきしんせつ
apokatastasis

キリスト教神学の用語。ギリシア語の「アポカタスタシス」は旧状態あるいは旧位置への復帰を意味するが,この語は聖書と教父たちとでは意味が若干異なる。聖書では『使徒行伝』3章 21に「万物の回復の時代にいたるまで」天はキリストを受入れたという個所にのみ使用されており,ここでは世の終りには万物が堕罪以前の状態に復するという意味で,この場合「万物復興説」とも訳される。ギリシア教父たち,特にオリゲネス派においては霊魂のけがれや悪も彼岸において完全な状態に回帰するという意味で「万物回帰説」とも呼ばれる。オリゲネス的な万有回帰説は第2コンスタンチノープル公会議 (553) で排斥されたが,宗教改革以後特にプロテスタント神学 (再洗礼派,バプテスト派など) で再び説かれ,近代のシュライエルマッハーもこの意味で使用している。

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