万県動物群(読み)ワンシエンどうぶつぐん

最新 地学事典 「万県動物群」の解説

ワンシエンどうぶつぐん
万県[万县]動物群

Wanxian fauna,Wanhsien fauna

中国重慶市万州区(旧四川省万県)の塩井溝の洞窟・裂罅れつか堆積物に含まれていた化石群で代表される,中国南部の中期更新世の哺乳動物群。名称は旧地名による。塩井溝は,周口店とならんで1920年代から知られていた化石産地。ここの哺乳類化石には,小型のものから大型のものまでの多くの種類がある。トウヨウゾウStegodon orientalis)やバク類の絶滅種(Megatapirus augustus)などの第四紀型の絶滅種を含むが,キンシコウ(Rhinopithecus roxellanae)・ジャイアントパンダAiluropoda melanoleuca)・ホエジカMuntiacus muntjak)など現生種が多い。このような特徴をもつ動物群は,中国南部の各地にある中期更新世の洞窟・裂罅堆積物からも見つかっている。万県動物群は中国北部の周口店動物群と同じ時代だが,内容が大きく異なり,現在の中国南部の動物群の母体となったと考えられる。なお,地名がなくなったため,万県動物群の名称は近年あまり使われなくなっている。四川動物群または塩井溝動物群とも。

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まんけんどうぶつぐん
万県動物群

ワンシエン(万県)動物群

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の万県動物群の言及

【ステゴドン】より

…長鼻類ステゴドン科の1属。化石ゾウの1グループで,臼歯の形態が,屋根状の稜があることによって特徴づけられ,屋根を意味するギリシア語のステゴスと歯を意味するオドントスから名づけられた。1857年にファルコナーH.Falconerが命名。500万年前の鮮新世から更新世にかけて東および東南アジア,インド,イスラエルに分布し,アジア以外からは知られていない(アフリカ産とされるものは別属のもの)。小型のものから大型のものまで各種各様のものがあるが,頭骨の頂部が平たんで,前面が逆三角形,左右のきばが平行に直に突出しているという共通性がある。…

※「万県動物群」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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