三文文士(読み)サンモンブンシ

デジタル大辞泉 「三文文士」の意味・読み・例文・類語

さんもん‐ぶんし【三文文士】

安っぽい、または売れない小説ばかり書いている文士。また、文士を軽蔑していう語。

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精選版 日本国語大辞典 「三文文士」の意味・読み・例文・類語

さんもん‐ぶんし【三文文士】

  1. 〘 名詞 〙 いっこうに原稿が売れない文士。つまらない作品しか書けない文士。また、文士を軽蔑していう語。
    1. [初出の実例]「三文文士(サンモンブンシ) 駄文駄句のみを発表してゐる価値なき文士。多く詩人を罵っていふ言葉」(出典:和漢大辞典(1919)〈大町桂月・<著者>高木斐川〉新語)

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世界大百科事典(旧版)内の三文文士の言及

【グラッブ街】より

…18世紀の文人ジョンソン博士によると,ここに貧しい文筆業者が多く住み,生活のために雑文を書いたり,編集の仕事をしていた。そこからこの語は一般に〈三文文士〉または〈雑文(業)〉の意味を持つようになった。通りの名がミルトン街に変わった19世紀になってもこの語は通用し,小説家ギッシングは彼の作品に《当世グラッブ街New Grub Street》という題を与えた。…

【ギッシング】より

…19世紀イギリス(とくにロンドン)の下層貧民の悲惨な生活を赤裸々に描写した小説を多く発表したが,当時の読者の趣味に合わぬため,死ぬまで大衆の人気を得ることなく,不遇のまま病気療養中の南フランスで死去した。代表作としては19世紀末のイギリス文壇の実情や,生活苦と戦う下積み文学者の生態を描いた《当世グラッブ街》(1891,邦訳《三文文士》)がある。少年のころから学問,とくに古典文学に秀で,ギリシア・ラテン文化にあこがれていたが,厳しい現実は彼に学問の世界に悠々と浸ることを許さなかった。…

※「三文文士」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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