下官集(読み)ゲカンシュウ

デジタル大辞泉 「下官集」の意味・読み・例文・類語

げかんしゅう〔ゲクワンシフ〕【下官集】

鎌倉初期の歌学書。1巻。藤原定家著とされる。成立年代未詳。仮名草子や歌を書くときの法式を記し、定家仮名遣いについて述べたもの。

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精選版 日本国語大辞典 「下官集」の意味・読み・例文・類語

げかんしゅうゲクヮンシフ【下官集】

  1. 鎌倉初期の歌学書、国語学書。一巻。藤原定家著とされる。草子や歌などの書写法を記したもの。その中に仮名遣について述べた部分があり、国語学研究上で資料価値が高い。

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世界大百科事典(旧版)内の下官集の言及

【仮名遣い】より

…そこで藤原定家は,これらをなにかの規準によって使い分けるべきであると考え,〈お〉と〈を〉とは,言葉のアクセントの低いと高いとによって使い分け,他は古文献の例によるという規準を立てて,みずから実行した。この規準は《色葉字類抄(いろはじるいしよう)》という当時の辞書の語の掲出のしかたにヒントを得たらしいが,定家は少しばかりの実例をあげた《僻案(へきあん)》という簡単な冊子を書いて人に示した(この冊子は普通は《下官集(げかんしゆう)》とよばれている)。定家は仮名遣いの原理を詳しく説明しなかったが,歌道における藤原定家の盛名によって,この仮名使用法は,和歌や物語類を平仮名で記す作法として世に行われるようになった。…

※「下官集」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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