一巻(読み)イチマキ

デジタル大辞泉の解説

いち‐まき【一巻】

巻子本(かんすぼん)・絵巻などの一つの巻全部。いっかん。
話や事件などのすべて。一部始終。
一族。一団。
「女の多い―で」〈藤村・春〉

いっ‐かん〔‐クワン〕【一巻】

巻物・フィルムなど巻いてあるもの一つ。巻物になっていない書物にも用いる。
最初の巻。第1巻。

ひと‐まき【一巻(き)】

一度巻くこと。
巻いてあるもの一つ。「絵巻物一巻き」「毛糸を一巻き買う」
連歌・連句で、歌仙・百韻・千句などの一つの作品。
一族。同族

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

いちまき【一巻】

絵巻物などのひとまき全部。
事件・話などの、一部始終。 「平野屋小勘-は語るも聞くもあはれ也/浄瑠璃・氷の朔日
一族。一団。 「連衆つれしゆうまであの-は実に好かない客でござんすな/歌舞伎・四千両」

いっかん【一巻】

巻き物や映画フィルムなど、巻いてあるものの一つ。
書物などの第一の巻まき。第一巻。
[句項目] 一巻の終わり

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

いち‐まき【一巻】

〘名〙
① 書巻、絵巻物などの一巻全部。
② 事件の一部始終。また、ものごとの全部。いっさい。
※浄瑠璃・自然居士(1697頃)三「命を限りに尋あひ、此一まきを云わけし」
③ 血縁で結びついた集団。一族。また、集合したり同行したりしている一団。
※雑俳・川柳評万句合‐宝暦一一(1761)八月五日「いちまきが寄るとはなしのおもしろさ」
※破戒(1906)〈島崎藤村〉一「一族(イチマキ)の『お頭(かしら)』と言はれる家柄であった」

いっ‐かん ‥クヮン【一巻】

〘名〙
① 巻いてあるものの一つ。おもに書物フィルムなどにいう。巻物になっていない書物などにも用いられる。
※続日本紀‐天平一九年(747)一〇月辛卯「著述愚志一巻僧尼之事
② いくつかに分かれたものの最初の巻。第一巻。

ひと‐まき【一巻】

〘名〙
① 一度巻くこと。
※羅葡日辞書(1595)「Spiræ〈略〉クビニ カケタル クサリ ナドノ fitomaqi(ヒトマキ)、フタマキ」
② 巻いてある物の一つ。反物・巻物・巻いた糸などの一つ。また、一つの本。いっかん。
※関戸本三宝絵(984)中「たもてりし法花経のあはせてひとまきにせるあらん」
連歌連句歌仙・百韻・千句などの一つの作品。
④ 血縁につながる集団。一族。同族。
※普賢(1936)〈石川淳〉一〇「吠えかかった地廻りの一巻(ヒトマキ)かと息を呑む暇もなく」
⑤ 物事の一切合財。また、事件の一部始終。全部。
⑥ 一件。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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