下燃(読み)したもえ

精選版 日本国語大辞典 「下燃」の意味・読み・例文・類語

した‐もえ【下燃】

〘名〙
① 火が表面に出ないで、物の下で燃えること。
② (「した」は心の意) 心の中で思い焦がれること。人知れず恋い慕うこと。
古今(905‐914)恋一・五〇〇「夏なればやどにふすぶるかやり火のいつまでわが身したもえをせん〈よみ人しらず〉」
※海人刈藻物語(1271頃)三「かの下もえに思ひ乱るる人の御心、いかばかりならむ」

した‐も・ゆ【下燃】

〘自ヤ下二〙
① 物の下で燃える。
※類従本基俊集(1142頃)「夏のよを下もえあかす蚊遣火の煙けぶたき遠の山里
② (「した」は心の意) 心の中で人知れず思い焦がれる。
※栄花(1028‐92頃)根合「したもゆる嘆きをだにも知らせばやたくひのかみのしるしばかりに」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android