不承認主義(読み)ふしょうにんしゅぎ(その他表記)doctrine of non-recognition

日本大百科全書(ニッポニカ) 「不承認主義」の意味・わかりやすい解説

不承認主義
ふしょうにんしゅぎ
doctrine of non-recognition

正統性(一定の価値基準)または合法性に照らして、新国家、新政府、領域取得等を承認しないという主義。国際法上種々の形で主張されたが、もっとも代表的なのは、1932年1月、「満州国」の成立に関連し、時のアメリカ国務長官スティムソンが不戦条約(1928)に違反するような手段によりもたらされたいかなる事態条約協定をも承認しない旨声明した、いわゆるスティムソン主義Stimson doctrineである。このドクトリンは国際連盟総会決議(同年3月)や米州諸国間の「国の権利義務に関する条約」(1933)でも確認された。同趣旨のことは第二次世界大戦後の各種国際文書のなかにも取り入れられている。

 以上とは別に、近年、民族自決原則違反や人種隔離政策=アパルトヘイト禁止原則違反を理由として新しいタイプの不承認主義も登場している。たとえば、1965年南ローデシアで少数者である白人が中心になって一方的に独立し、人種差別的少数者支配を推し進めようとした際、国連安全保障理事会は同年11月および爾後(じご)の決議を通してスミス非合法政権を否認するよう推進した。

[内田久司]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「不承認主義」の意味・わかりやすい解説

不承認主義
ふしょうにんしゅぎ

「スチムソン・ドクトリン」のページをご覧ください。

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