精選版 日本国語大辞典 「成立」の意味・読み・例文・類語
なり‐た・つ【成立】
〘自タ五(四)〙
① 一人前になって世に立つ。人となる。成長する。立身する。
② ある状態・事態にたち至る。すっかりそういう気持になる。
※栄花(1028‐92頃)見はてぬ夢「世の中いと騒しうなりたちぬれば」
④ 経済的にやっていける状態になる。
せい‐りつ【成立】
〘名〙
① 一つの形としてまとまりを持つこと。なりたつこと。できあがること。また、つくりあげること。せいりゅう。
※続日本紀‐霊亀二年(716)五月丁酉「制、大学典薬生等、業未二成立一」
② 育って大きくなること。成長すること。成育。
なり‐たち【成立】
〘名〙
※天草本平家(1592)三「イマ ワ マタ キソドノ ノ naritachi(ナリタチ)、ソノ ムホン ノ ヤウ ヲモ ヲカタリアレ」
② いくつかの要素が組み立てられてできあがること。また、できあがるまでの過程や事情。せいりつ。なりたて。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※社会百面相(1902)〈内田魯庵〉代議士「英国の代議政躰の発達とは大いに成立(ナリタチ)の順序を異にしおる」
なり‐たて【成立】
〘名〙
① なって間もないこと。
② そうなった由来、原因。なりたち。
※玉塵抄(1563)六「楊朱がなりたてこまかなことは列子にあるか匀府排匀にはみえぬぞ」
せい‐りゅう ‥リフ【成立】
〘名〙 (「りゅう」は「立」の正音、「りつ」は慣用音) =せいりつ(成立)①
※雪中梅(1886)〈末広鉄腸〉上「今日より此の時に成立(セイリフ)したる政党の有様を」
なし‐た・つ【成立】
〘他タ下二〙 十分に育てあげて世に立つようにする。後見して成功させる。したてる。なしあぐ。
※源氏(1001‐14頃)玉鬘「腹腹の何ともあるまじき御子ども、みな物めかしなしたて給ふを聞けば」
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