世付(読み)よづく

精選版 日本国語大辞典 「世付」の意味・読み・例文・類語

よ‐づ・く【世付】

〘自カ四〙
世間一般と変わるところのない状態になる。世間なみになる。
源氏(1001‐14頃)紅葉賀「今年よりだに、少しよづきて改め給ふ御心みえば」
② (世間普通の)結婚をする。世間なみに結婚生活を送る。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「いまさらになでうよづいたるめをか見む」
男女の仲の事柄やその情を理解し、それに馴れる。
※宇津保(970‐999頃)蔵開上「かの君も、いまはよづき給にければ〈略〉いとけぢかくものなどのたまひき」
④ 男と女の間柄に関係する。色恋に関連する。
※源氏(1001‐14頃)末摘花「なにやかやとよづけるすぢならで、その荒れたるすのこにたたずままほしきなり」
俗世間の汚れに染まる。俗っぽくなる。
徒然草(1331頃)二三「衰へたる末の世とはいへど、なほ九重の神さびたる有様こそ、世づかず、めでたきものなれ」

よ‐づかわ‥づかはし【世付】

〘形シク〙 (動詞「よづく(世付)」の形容詞化) 男女間の事柄をよく知っているらしく見える。好色がましい。
※源氏(1001‐14頃)夕霧「けだかうもてなし聞えむと、おぼいたるに、よづかはしう、軽々しき名の立ち給ふべきを」
よづかわし‐げ
〘形動〙
よづかわし‐さ
〘名〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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