最新 地学事典 「中央海嶺玄武岩」の解説
ちゅうおうかいれいげんぶがん
中央海嶺玄武岩
mid-oceanic ridge basalt
大洋中央海嶺系に産する玄武岩の総称。MORBと略称。他地域の玄武岩に比べ比較的均質な組成をもつ。主にソレアイト質の玄武岩で,主成分組成は島弧のソレアイトと似ている。深海性ソレアイト(abyssal tholeiite),深海性玄武岩(abyssal ba-salt),海洋底玄武岩(ocean floor basalt)などと同義。また,海洋玄武岩,海洋性ソレアイト,海嶺玄武岩,海嶺性ソレアイトなどの名称も用いられた。初期の研究では,たいへん限定された化学組成(ソレアイト質で一定のSiO2(47~51%程度)を含み,MgO含有量が高く,K2Oおよび液相濃集元素量が低い)をもつと考えられたが,その後,産出海域ごとに一定の変異が存在することが明らかとなった。通常,液相濃集元素,すなわちTi・P・LIL元素(K・Pb・Ba)に乏しいものが多く,これをN(normal)-MORBと呼ぶ。これに対して液相濃集元素に相対的に富むものをE(enriched)-MORBというが,これは特に中央海嶺系とマントルプルームとが重複したような場所(例えばアイスランド)に産するので,P(plume)-MORBともいう。両タイプの中間的なものについてT(transitional)-MORBとすることがある。斑晶鉱物としては斜長石が卓越し,かんらん石がこれに次ぐ。輝石斑晶はN-MORB中にはまれであるが,E-MORBにはふつうに出現する。太平洋には著しくFe-Tiに富む,分化した玄武岩(Fe-Ti basalt)が産出する。
執筆者:湯浅 真人
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

