ソレアイト(読み)それあいと(英語表記)tholeiite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソレアイト」の意味・わかりやすい解説

ソレアイト
それあいと
tholeiite

ソレアイト質玄武岩と同義語。アルカリ成分に乏しく、比較的カルシウムや鉄などに富む玄武岩をさす。構成鉱物としてはカルシウムに富む斜長石、単斜輝石を主とし、橄欖(かんらん)石は含まれていても多くないのが普通である。石基の輝石はカルシウムに乏しいピジョン輝石であるのが特徴の一つとされ、橄欖石と反応関係にある。石基に珪酸(けいさん)鉱物を含む。この名称はドイツのサクソン地方トライに産する古期の玄武岩に由来するが、ドイツの岩石学者ローゼンブッシュにより拡大解釈され、現在の用法となった。その後アメリカの岩石学者ケネディW. Q. Kennedyによって橄欖石玄武岩マグマとともに本源マグマの一つとされ重要視されるに至った(1933)。日本では伊豆・箱根などでみられるもののうち、かなりのものがソレアイトに属する。ソレアイト質玄武岩と同一成因系統の岩系の総称としても用いられる。この場合ピジョン輝石質岩系に対応する。ハワイ、アイスランドなど世界的に広く分布する。

矢島敏彦

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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