精選版 日本国語大辞典 「中神」の意味・読み・例文・類語
なか‐がみ【中神】
- 天一神の俗称。陰陽道で方角神の一つ。己酉の日に天から下って東北隅に六日、乙卯の日正東に移って五日、というように順次に八方を回り、四方には五日ずつ、四隅には六日ずつの計四四日地上にあって、癸巳の日に正北から上天、一六日を経て己酉の日再び下って前の順に遊行する。この神の遊行の方角を塞(ふたがり)といい、その方角に向かってことを行なうことを忌む。また、この神が天にある一六日間は四方いずれへ出かけて行っても障りないとする。この禁忌は平安時代に特に流行し、当時行なわれた方違えには、この神のいる方角を避けるためのものが多い。
- [初出の実例]「天一神 百忌経云天一神〈和名奈加々美〉天女化身也」(出典:十巻本和名抄(934頃)一)
中神の補助注記
語源としては、天一神は十二将の中央に立つので中神の意とする説、一方に長く留まるので長神の意とする説などがある。