四方(読み)シホウ

  • しほう ‥ハウ
  • しほう〔ハウ〕
  • よほう
  • よほう ‥ハウ
  • よほう〔ハウ〕
  • よも
  • 四▽方

デジタル大辞泉の解説

四つの方角。東西南北の方角。
周囲。「四方から救いの手がさしのべられた」「五里四方
諸地方。諸国。天下。「四方を治める」
正方形の各辺。「一センチ四方
四角。かくがた。
四すみにくり形の穴のある、物をのせる台。
近世、正方形の指物(さしもの)
四つの方角。しほう。〈日葡
四すみに角のある形。四角。
「大きなる石の―なる中に」〈更級
周囲。しほう。〈ロドリゲス日本大文典
枡(ます)をいう女房詞
東西南北、また、前後左右の四つの方向。しほう。「四方を見回す」「四方の山々」
あちらこちら。また、いたる所。
「美しきすみれの花束、きらきらと光りて、―に散りぼうを」〈鴎外うたかたの記〉

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大辞林 第三版の解説

東西南北の四つの方角。
周囲。 -を山で囲まれる
いろいろな方角。 -へ逃げ散る
四角。 -形
物をのせる台。折敷おしきに、四方にくり穴をあけた四角の台をつけたもの。 → 三方さんぼう
天下。諸国。 -に号令する
四角。しほう。 大きなる石の-なる中に/更級
周囲。しほう。 イッチョウ-/ロドリゲス
東西南北。前後左右。しほう。 -を見わたす
あちらこちら。諸方。 -の山々

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食器・調理器具がわかる辞典の解説

衝重(ついがさ)ね一種(ひのき)製の白木折敷(おしき)の下に台を取り付け、その台の四面に刳形(くりかた)()をあけたもの。神仏に捧げる供物食器をのせるのに用いる。◇台の三面に刳形をあけたものを「三方(さんぼう)」、刳形のないものを「供饗(くぎょう)」という。

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① 四つの方向、方角。東、西、南、北。
※今昔(1120頃か)一「太子已に生れ給ひぬれば、天人手を係け奉て、四方に各七歩を行ぜさせ奉る」
② 周囲。ぐるり。あらゆる方角。八方。
※凌雲集(814)賦桜花〈平城天皇〉「昔在幽岩下、光華照四方
※平家(13C前)二「四方へ皆逃さりぬ」
③ 自国のまわりの国。諸国。また、あらゆる所。諸方。天下。
※今昔(1120頃か)一「王、此を聞て悶絶地して暫く在て醒悟(さめ)て諸の臣に勅して四方に太子を尋ね求め奉て」 〔詩経‐小雅・北山〕
④ 四すみに角がある形。四角。よほう。
※ロドリゲス日本大文典(1604‐08)「ナガクモ ナク、ミジカクモ ナク、マルクモ ナク、xifǒni(シハウニ) ナキ モノ ナリ〔仮名法語〕」
⑤ 四すみにくり形の穴がある物を載せる台。
※大上臈御名之事(16C前か)「つゐがさねは、そうみゃうなり、くぎゃう、四はうはつねの人はもちゐず、けんしゃうを四方にあけたるをいふ也」
⑥ 近世の武具の指物(さしもの)の一種。正方形のもの。また、一説に、四半②のものとも。
※甲陽軍鑑(17C初)品一七「高坂弾正 旗くちばの四方 四百五拾騎」
※俳諧・本朝文選(1706)一・辞類・鉢扣辞〈去来〉「あるひはさかやきをすり、或は四方にからげ、法師ならぬすがたの衣引かけたれど」
[補注]④の意は「よほう」と読まれている資料が多い。また、歴史的かなづかいも「はう」ではなく「ほう」であるという。
〘名〙
① 四つの方向、方角。しほう。〔日葡辞書(1603‐04)〕
② 正方形。四角。しほう。
※更級日記(1059頃)「えもいはず大きなる石のよほうなる中に」
③ 周囲。ぐるり。しほう。
※百丈清規抄(1462)四「うらを三四分四方(ヨホウ)つつはかりわけて占なうて吉凶を知ぞ」
④ 枡(ます)をいう女房詞。〔婦人養草(1689)〕
[語誌](1)歴史的かなづかいはハウとしたが、四角の意の場合はホウであるとする説が有力である。
(2)古くは、東西南北の方角を「しはう」、四角形の形を「よほう」といった。「方」の字音には、「観智院本名義抄」の和音注が示すように、ハウとホウとがあり、これは漢音・呉音の別ではなく、方角の意の場合、開音ハウ、四隅(角)の意と、医方の意の場合、合音ホウとなる。
(3)「方」の字音に、ハウとホウ両者があったことについては、類書や抄物でも注意しているが、特に法華経読誦をめぐって、日遠「法華経随音句」や宗淵「法華経音弁訛」などがその使い分けを説いている。
[1] 〘名〙
① (ある所を中心として)東西南北。前後左右。しほう。まわり。ぐるり。
※天理本金剛般若経集験記平安初期点(850頃)「目を挙げて四望(ヨモをみれ)ば朗然明徹、仏殿講堂一として皆見えず」
※広本拾玉集(1346)五「今様 花 春のやよひのあけぼのによもの山べを見わたせば」
② あちらこちら。諸方。また、いたるところ。
※書紀(720)雄略二〇年冬(前田本訓)「其の王(こきし)、入(まゐ)りて天皇に仕す。四隣(ヨモ)の共に識る所なり」
③ 「よも(四方)の赤」の略。
※滑稽本・四十八癖(1812‐18)二「オット来たり四方(ヨモ)か、滝水五升、こいつが命から二番目だ」
[2] 江戸時代、江戸日本橋和泉町にあった酒と味噌を商う四方久兵衛の店。味噌は赤味噌が有名で、酒は「滝水(たきすい)」という銘酒を売り出していた。四方久(よもきゅう)
※洒落本・大通秘密論(1778)中車を行助六「『わかいものが、毎日のやうに、行いすはな』『よものみそかひにか』」

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世界大百科事典内の四方の言及

【三方】より

…衝重は方形角切(すみきり)の筒形台脚を備えた折敷(おしき)の総称で,《貞丈雑記》によれば,上部の折敷形に台部を衝き重ねるところから衝重の名があるという。その台部の3方に眼象(げんしよう)(格狭間(こうざま))と称する繰形を透かしたものがすなわち三方であり,4方に透かしたものが四方(しほう)である。また眼象のないものは供饗(くぎよう)という。…

【七宝文】より

…有職(ゆうそく)文の一種で,輪違(わちがい)文ともいう。上下左右に連続するさまから〈四方〉〈十方〉と呼ばれたのが,のちに仏教の十珍七宝(じつちんしつぽう)と結びつき〈七宝〉となった。この形の文様は古くから見られ,紀元前3000年ころのシュメールで黄金製指輪の装飾にも用いられている。…

【膳】より

… 膳は,現在一般に会席膳と呼ばれる方1尺2寸(約36cm)の折敷を除いては,ほとんどが足をつけるか,台に載せた形態のものである。板を折り回した足を折敷の下につけたものを衝重(ついがさね)といい,足の前面と左右両側の3面に繰形(くりかた)をつけたものを三方(さんぼう),4面につけたものを四方と呼んだ。これに対して,大きく格狭間(こうざま)を透かせた台に折敷を載せたものを懸盤(かけばん)といい,藤原氏の氏長者(うじのちようじや)がその地位の標識として朱器とともに伝領した台盤も,この形式のものであった。…

※「四方」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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