ほう‐がく ハウ‥【方角】
〘名〙
※中右記‐大治二年(1127)三月二〇日「同明経道勘文、焼亡之後記注文、方角丈尺勘文、神宝焼失等文、合六通也」
※浮世草子・好色一代女(1686)五「
長町の西かは、ひがし北南その方角
(ハウガク)に
奉公せし蓮葉女」
② その人やものが向かっている、または、進んでいる
方向。
進路。むき。
※発心集(1216頃か)二「さて方角(ハウカク)にをびも無て隠れ居たりける程に」
※
滑稽本・
東海道中膝栗毛(1802‐09)三「手水にいかふ。コリャまっくらで方角
(ホウガク)がしれぬ」
※
大乗院寺社雑事記‐文明一四年(1482)四月三日「旁以
二寺家之成敗
一無
二方角
一之間」
※
浮雲(1887‐89)〈
二葉亭四迷〉三「只『もう一度其様
(そん)な身になってみたい』とばかり。とんと方角が違ふ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「方角」の意味・読み・例文・類語
ほう‐がく〔ハウ‐〕【方角】
1 ある地点をもとにして、東西南北で表した方向。「北の方角」
2 吉凶にかかわる方位。「方角が悪い」
3 そのもののある方向。「火事は家の方角だ」
4 考え方の方向。見当。「違った方角から考えてみる」
5 事をする方法。やり方。てだて。「和解させる方角が立たない」
→方向[用法]
[類語]方向・方位・方・向き
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
世界大百科事典(旧版)内の方角の言及
【方違】より
…[陰陽(おんみよう)道]で忌むとされる方角を避ける風習。外出するのにその方角が禁忌とされる場合,前日に他の方角へ赴いて泊まり,そこから目的の地にゆくものである。…
【方位】より
…島民のほとんどは西海岸に住む。西海岸では,方位としての〈山〉は東の方角,同じく〈海〉は西を,〈下〉は北を,〈上〉は南を指す。しかし,北の端にいくと,方位としての〈海〉は北を,〈下〉は西を指す。…
※「方角」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」