中郷本田堰(読み)なかごうほんでんぜき

日本歴史地名大系 「中郷本田堰」の解説

中郷本田堰
なかごうほんでんぜき

送橋おくりはし川の上流水本みずもと上芦沢かみあしざわさんさわ橋下手に堰口を設け、螺倉かりくら山の山腹を縫って約四キロ流れて新宿あらじゆくに出る。宮宿みやじゆくを中心に灌漑面積約五三町歩余。当堰は柴田七郎兵衛家二五代吉康が、最上義光の保護のもと天正一三年(一五八五)開発を企て、同一五年に完成したと伝える。近世に至り水田開発による水不足を解消するため、元禄一〇年(一六九七)には堰路を大修理、水量をこれまでの二倍にする。さらに上芦沢の長谷地ながやちに新溜井を築く計画を立て、嘉永六年(一八五三)・明治一五年(一八八二)・同三〇年・同三一年と工事が進められ、同三三年ついに完成する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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