確率論の基本的な定理。X1,……,Xnを確率空間(Ω,F,P)上で定義された確率変数とする。が,任意のボレル集合A1,……,Anに対して成り立つとき,X1,……,Xnは独立な確率変数系といわれる。この条件は
が任意のai<bi(i=1,……,n)に対して成り立つことと同値である。確率の乗法性により,次の平均値に対する乗法定理が成り立つ。
定理 X1,……,Xnを独立確率変数系とする。平均値E|Xi|(i=1,……,n)が有限のときの平均値も有限で,となる。すなわち,積の平均値は平均値の積になる。乗法定理により次のことが独立確率変数系X1,X2,……,Xnに対し成り立つ。
(1)分散の加法性 Xの分散をV(X)とかく。EXi2<∞(i=1,2,……,n)のとき,となる。とする。ki-ki-1次元ボレル関数fiに対しE|fi(Yi)|<∞(i=1,2,……,j)ならば,が成り立つ。
執筆者:西尾 真喜子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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