いろいろの値をとりうる変数Xがあって、それぞれの値をとる確率が決まっているときXを確率変数という。たとえば、さいころを投げたとき出る目の数をXと置けば、Xは1から6までの整数のどれかであり、どの値をとる確率も1/6であるからXは確率変数である。また宝くじを買ったとき、当せん金額をXとするとXは確率変数である。はずれた場合はXは0であり、当せんした場合は等級によってXの値は決まり、しかも、各場合の確率は決まっているからである。
確率変数Xのとりうる値がx1、x2、……であって、Xがxiである確率をpiとすればp1+p2+……=1である。このような確率変数を離散型という。これに対して、ある区間I(無限区間でもよい)のどの値もとりうるような確率変数を連続型という。詳しくいえば、区間Iで連続な関数f(x)が
を満たし、Iに含まれる任意の区間Jに対して、Xの値がJに属する確率が
で与えられるとき、Xを連続型の確率変数というのである。測度論的確率論では離散型および連続型を含む一般的な形で確率変数が定義される。この場合、確率変数Xは変数というよりむしろ関数というべきものである。すなわち、確率測度が与えられている標本空間で定義された可測関数のことを確率変数というのである。
[古屋 茂]
偶然現象を記述する場合,重要な手段は数値的情報を用いることである。ところで偶然現象自体は確率空間(Ω,B,P)で表される。Ωは根元事象と呼ばれる偶然を支配するパラメーターωの集合,BはΩ自身も含めΩの部分集合からなる完全加法族,そしてPはBを定義域とするP(Ω)=1なる測度である。Ω上の関数X(ω)がB-可測のとき確率変数という。これが数値情報を伝えるものである。このXは多次元空間Rdの値をとってもよい。Rdのボレル集合Bに対し,P(X⁻1(B))=m(B)とおけばmはRd上の確率測度になる。これをXの分布という。二つの確率変数X,Yは,もしP(X⁻1(B)∩Y⁻1(C))=P(X⁻1(B))・P(Y⁻1(C))が任意のB,Cについて成り立つとき独立であるという。三つ以上の確率変数についても同様に独立の概念が定義される。独立な確率変数列の和は,極限定理など興味ある確率論の話題が多い。
執筆者:飛田 武幸
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…よって,とにかくk回成功する確率は組合せを用いてnCkpkqn-kであることがわかる。
[確率変数と確率分布]
n回のベルヌーイ試行で成功する回数をXと書けば,それは偶然によっていろいろな数値をとる変数である。このような変数を確率変数という。…
…ある一定の確率法則に従っていろいろな値をとる変数を確率変数という。たとえば,母集団から無作為にとったn個の標本x1,……,xnは母集団分布に従うn個の確率変数である。…
※「確率変数」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...
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