事成る(読み)コトナル

デジタル大辞泉 「事成る」の意味・読み・例文・類語

こと・る

事が成就する。また、事が無事に済む。
あひとぶらひ―・りしかばかき結び」〈・一七四〇〉
その時になる。事が始まる。
「ものも見で帰らむとし給へど…、―・りぬと言へば」〈・葵〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「事成る」の意味・読み・例文・類語

こと【事】 成(な)

  1. 事が成し遂げられる。成就する。
    1. [初出の実例]「海(わたつみ)の 神の女に〈略〉相誂(あひとぶら)言成(ことなり)しかば かき結び 常世(とこよ)に至り」(出典万葉集(8C後)九・一七四〇)
    2. 「言ふかぎりなき願どもたてさせ給ふけにや、たひらかに事なりはてぬれば」(出典:源氏物語(1001‐14頃)葵)
  2. その時期に至る。準備が整う。事が始まる。
    1. [初出の実例]「いかにぞ。ことなりぬやといへば、まだ、無期(むご)などいらへ」(出典:枕草子(10C終)二二二)

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