二鞘の(読み)ふたさやの

精選版 日本国語大辞典 「二鞘の」の意味・読み・例文・類語

ふたさや‐の【二鞘の】

(「二鞘」は、二本の刀が納められるように、二つの鞘が一つに合わせられたような形の鞘) 二鞘の、鞘と鞘との間には隔てがあるところから、「家を隔つ」にかかる。
万葉(8C後)四・六八五「人言を繁みや君が二鞘之(ふたさやの)家を隔てて恋ひつつまさむ」
[補注]枕詞とせず、比喩とする説もある。また、二鞘の実物正倉院に残る。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「二鞘の」の意味・読み・例文・類語

ふたさや‐の【二×鞘の】

[枕]二鞘は2本の刀を一緒に入れることのできる鞘で、中に隔てがあるところから、「家を隔つ」にかかる。枕詞としないで比喩とする説もある。
「人言を繁みや君が―家を隔てて恋ひつつまさむ」〈・六八五〉

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