五線録(読み)ごせんろく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「五線録」の意味・わかりやすい解説

五線録
ごせんろく

三味線組歌楽譜。写本5巻。柳川流三味線組歌 34曲の譜を口三味線および勘所記号によって示す。明和6 (1769) 年高谷 (化善斎) 中坤編,田中検校城訓校訂の『三弦独譜』の改訂本で,寛政5 (92) 年,脇阪勾当ら校訂,吉村嘉達筆。これを基として,1885年富士岡検校の伝本を古川滝斎が校訂,尾本 (石田) 猪十郎が筆写して『柳川流本手組大意全書』と題して広められている。なお,ほかに『十二月新組』1冊が同体裁で筆録されている。

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世界大百科事典(旧版)内の五線録の言及

【柳川検校】より

…没後,1703年(元禄16)に刊行された《松の葉》には,浅利検校を経て早崎検校に伝承されたものが収録された。その後,深草検校の作品を加えたものが,早崎流として伝えられ,69年(明和6)には,田中検校によって楽譜化も試みられて,《五線録》が編集された。以後,安村,河原崎,上原,桂,富士岡の各検校に伝承され,明治期には古川滝斎が《柳川流本手組大意全書》を著したりして,柳川流三味線組歌の普及を図ったが,しだいに廃れ,現在ではわずか6曲ほど伝承されているにすぎない。…

※「五線録」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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