口三味線(読み)クチザミセン

デジタル大辞泉の解説

くち‐ざみせん【口三味線】

くちじゃみせん」に同じ。

くち‐じゃみせん【口三味線】

口で三味線の伴奏をまねること。くちざみせん。
口先で相手を巧みにだますこと。しゃみせん。くちざみせん。

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世界大百科事典 第2版の解説

くちじゃみせん【口三味線】

邦楽用語。三味線旋律を口で唱えることをいうが,欺こうとして巧みに言いかける言葉の形容としても使われている。楽器の旋律を擬声音で歌って記憶する便利な方法として古くから行われた唱歌(しようが)が,雅楽から一節切(ひとよぎり)を経て,三味線に応用されたもの。〈チン・トン・シャン〉は三味線音楽の代名詞のようになっているが,チンは三の勘所(かんどころ)を押さえた音,トンは二の弦の開放音,シャンは二と三の弦とを同時に弾いた音であり,そのほか,一と二の弦を押さえた音はツン,一,二弦同時のときはチャン,三の弦の開放がテン,(ばち)ですくう場合はラ行を用いる,といったぐあいに,弦の違いや押さえた音,放した音から,撥の使い方,ハジキという指使いまでが,口で唱えることによって,すぐにわかるようになっている。

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精選版 日本国語大辞典の解説

くち‐ざみせん【口三味線】

〘名〙
浮世草子・日本永代蔵(1688)五「田町に茶屋して日比(ひごろ)きいたる口三味線(くちサミセン)太鞁持となれり」
※浮世草子・御前義経記(1700)四「はやあきなひ事の口三味線(クチサミセン)

くち‐じゃみせん【口三味線】

〘名〙
① 三味線の旋律を口で唱えること。第一弦、第二弦、第三弦の音をそれぞれトン、テン、チンで表わすとか、それらを撥(ばち)ですくう音をロン、レン、ノンで表わすとか、弦の区別や奏法や音色の区別を表わすことができる。三味線の唱歌(しょうが)。くちざみせん。
※俳諧・鷹筑波(1638)一「ふくみかねすることはしほらし おもしろく口しゃみせんやならしけん〈良次母〉」
② 欺こうとして巧みに言いかけることば。口先でのごまかし。口車。口調法。口調練。くちざみせん。→口三味線に乗せる

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世界大百科事典内の口三味線の言及

【三味線】より

…地歌の公刊譜にしてもその集成書別に異なる記譜法であったが,現在では家庭式三味線譜といわれるものが普及し,長唄,小唄などでは文化譜といわれるものが普及している。これらの勘所譜とは別に,擬声的表現である口三味線で,その旋律を口でいうことも行われ,スクイなどの奏法と使用弦や開放弦であるかどうかなどが弁別できるため,心覚えとして記録されることもあり,不完全ながら一種の楽譜としても利用される。また長唄のある派では,小十郎譜といわれる,階名の数字譜を利用したものも用いられている。…

※「口三味線」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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