普及版 字通 「亶」の読み・字形・画数・意味


13画

[字音] タン・セン・テン
[字訓] まこと・あつい・つくす

[説文解字]

[字形] 象形
下部は建物の下壇、上部は廩蔵(りんぞう)の形で、神倉の象。〔説文〕五下に「多きなり」とし、旦(たん)声とするが、旦は基壇の形であろう。その部分をまた壇という。〔詩、小雅、常棣〕「亶(まこと)に其れ然るか」の〔伝〕に「信なり」とあり、誠信の意に用いる。單(単)と通用し、〔詩、周頌、昊天有成命〕「厥(そ)の心を單(あつ)くす」を〔国語、周語下〕に引いて亶に作る。「單(つく)す」の訓もある字である。

[訓義]
1. まこと、まことに。
2. ゆたか、あつい、てあつい、おおきい。
3. つくす。
4. (たん)に通じ、やむ。
5. 但に通じ、ただ。
6. (たん)に通じ、かたぬぐ。
7. 屯亶(ちゆんてん)は、ゆきなやむ。

[古辞書の訓]
名義抄〕亶 マコトアツシ・タダ・オホカリ 〔字鏡集〕亶 アツシ・オホイナリ・マコト・タダ・オホシ・ノブ

[声系]
〔説文〕に亶声として・檀・顫・擅・壇など、十七字を収める。基亶の意のほか回する意をもつ字がある。擅は専、声の仮借によるものであろう。

[語系]
亶・單tanは同声。声義の通ずる字で、大なり、尽す、信なり、厚なりなどの訓がある。(憚)dan、tanも同義の字。但danも声近く、その意にも用いる。

[熟語]
亶誠亶亶

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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