他田郷(読み)おさだごう

日本歴史地名大系 「他田郷」の解説

他田郷
おさだごう

「和名抄」諸本にみえる郷名。高山寺本に「乎左多」、東急本に「乎佐多」の訓がある。郷名は敏達天皇の名代である他田部にかかわるものと考えられる。天平一〇年(七三八)度の駿河国正税帳(正倉院文書)には「有度郡散事他田舎人広庭」の名がみえる。和銅五年(七一二)阿倍氏同族六人は本姓阿倍氏を称することを許されており(「続日本紀」同年一一月二〇日条)、そのうち長田朝臣太麻呂・長田朝臣多留が当郷にかかわるとの見解もある。里制の時期(西暦七一六年以前)のものと推定される静岡市の神明原(しんめいばら)・元宮川(もとみやがわ)遺跡出土木簡に「他田里戸主宇刀真酒」とみえ、他田里は当郷に相当すると考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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