ちゅう‐げん【中原】
[1] 〘名〙
※本朝続文粋(1142‐55頃)一・西府作詩〈
大江匡房〉「中原抽
二玉藻
一、上苑用
二瓊敷
一」 〔詩経‐小雅・小宛〕
②
天下の中央の地。
辺境や
蛮国に対していう語。中国。天下。〔唐詩選国字解(1791)〕 〔春秋左伝‐僖公二三年〕
※談義本・風流志道軒伝(1763)叙「周二旋於中原一者。其在二斯人一歟」
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中原
ちゅうげん
Zhong-yuan; Chung-yüan
古代中国の中心地域で,転じて中国とか天下の意。古代中国文化が繁栄した周とその封建諸侯の地域をさし,異文化をもつ民族を周辺の東夷,西戎,南蛮,北狄などの蔑称と対比させて用いた。黄河中流域で現在の河南,山東省西部,河北,山西省南部,陝西省東部であったが,時代とともに拡大され,南北朝には黄河下流域も入り,宋,元,明では揚子江流域の江南に対して華北一帯を呼ぶ。
中原
なかばる
佐賀県東部,みやき町北部の旧町域。脊振山地南斜面および佐賀平野東部にある。 1971年町制。 2005年北茂安町,三根町と合体し,みやき町となる。早くから開けた地で,古墳や古代遺跡がある。米作,畜産が行なわれる。第2次世界大戦後,東に隣接する鳥栖市に続いて工業化が進み,機械,自動車部品などの工場が進出。古社綾部八幡神社がある。
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デジタル大辞泉
「中原」の意味・読み・例文・類語
ちゅう‐げん【中原】

1 野原の中央。
2 辺境に対して、天下中央の地。また、天下。
3 政権を争う場。また、競争の場。
中国で文明の興った黄河中流域の平原地帯をいう。現在の河南省・山東省・山西省の大部分と、河北省・陝西省の一部。
なかはら【中原】[地名]
神奈川県川崎市の区名。中心の小杉は、江戸から平塚市中原に至る中原街道の宿駅として発達。
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中原
ちゅうげん
中国古代文明の発生地である黄河中下流の平原
古来,文化・経済の最も発達した地域であるため,この地方をおさえることが全中国統一の前提とされ,「中原に鹿を追う」の語が生まれた。
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ちゅうげん【中原 Zhōng yuán】
中国古代文化の中心で,漢民族発展の根拠となった地域。今日の河南省を中央に東は山東省の西部,西は陝西省の東部にわたる,黄河中下流域の平原をさす。春秋戦国時代には周の王都がその中心に位置していたので,中原を制すれば天下を取ることができると考えられた。成語の〈中原に鹿を逐(お)う〉とは天下を争奪する謂である。のち漢民族の勢力が四方に伸び,とくに南方に発展してからも,中原は民族の故郷の地として重視せられた。
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普及版 字通
「中原」の読み・字形・画数・意味
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中原
なかはら
[現在地名]真田町大字本原
往古原之郷として一郷であったが、元和八年(一六二二)に上原・中原・下原の三ヵ村に分れた(小県郡史)。このうち中原村は、松代道沿いに町割の残る中原(上原の北に屋並が続いている)のほかに、中原の北東に竹室、同じく西に番匠、北西に新井の集落がある。
中原は松代道と真田村を経る上州道の分岐点で、上原とともに宿場であった。宝永三年(一七〇六)の原之郷指出帳(上田藩村明細帳)にある中原村は、家数一一一軒、人数四三七人。
中原
なかはら
[現在地名]宜野湾市中原・神山
神山地区の北部にある。もとは明治期に喜友名村・神山村にまたがる普天間街道沿いの地に、士族が移住して開いたバサーサクとよばれる屋取集落。地名はバサウー(芭蕉)が群生していたことにちなむという(宜野湾市史)。
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世界大百科事典内の中原の言及
【河南[省]】より
…4地区,13地級市,25県級市,91県からなり,省都は鄭州市である。中国の古代地理書である〈禹貢〉(《書経》の中の一編)には九州の一つとして予州とみえ,ほぼ天下の中央に相当するので中州または中原ともよばれた。もともと河南とは黄河の南岸に近い洛陽地方を意味し,中国文化発生地の一つである。…
【吹上[町]】より
…中世には伊作は伊作荘に,永吉は日置南郷に属し,ともに島津氏の直轄領として栄えた。江戸時代には伊作荘は伊作郷,日置南郷は永吉郷となり,伊作郷の中原には島津氏の居城亀丸城が置かれ,城下町として栄えた。基幹産業は農業で,稲作,タバコ,野菜栽培を主とし,養豚,ポンカン栽培も行われる。…
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