仰付(読み)おおせつける

精選版 日本国語大辞典 「仰付」の意味・読み・例文・類語

おおせ‐つ・ける おほせ‥【仰付】

〘他カ下一〙 おほせつ・く 〘他カ下二〙 「言い付ける」の尊敬語。お言い付けになる。また、上位者が下位者に対し、命ずる、言い付ける動作をもいう。おせつく。
保元(1220頃か)中「六条判官、并(ならび)に子供尋ねまゐらすべきよし、幡磨守に仰せ付けらる」
※蛇(1911)〈森鴎外〉「県庁からお宿を仰付(オホセツ)けられましたのは、此上もない名誉な事でございます」

おおせ‐つか・る おほせ‥【仰付】

〘他ラ五(四)〙 (「つかる」は「つけられる」の意) 「言いつかる」意で、その命令者を敬う語。お言いつけを受ける。御命令を拝する。「言いつかる」を、しかつめらしくいうのにも用いる。
※くれの廿八日(1898)〈内田魯庵〉一「外国教師クリスマス買物をする随行(おとも)を仰せ付かる」

おおせ‐つけ おほせ‥【仰付】

〘名〙 (動詞「おおせつける(仰付)」の連用形名詞化) 「言い付け」を敬っていう。御命令。おいいつけ。
御湯殿上日記‐文明一五年(1483)七月二五日「とうほうにまつおほせつけにてまいるよし、てんそう申さるる」

おっしゃり‐つけ【仰付】

〘名〙 仰せ付け。言い付け。
人情本・恋の若竹(1833‐39)初「全体暫時(すこし)過ぎたら来いと、被仰(オッシャ)りつけで御座いましたが」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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