休明光記・休明光記附録(読み)きゆうめいこうき・きゆうめいこうきふろく

日本歴史地名大系 「休明光記・休明光記附録」の解説

休明光記・休明光記附録
きゆうめいこうき・きゆうめいこうきふろく

九巻・一八巻 羽太正養著

成立 文化四年

自筆本 市立函館図書館

写本 道立文書館・国会図書館

解説 寛政一一年幕府の東蝦夷地上知に際し蝦夷地御用掛となり、その後も箱館奉行として蝦夷地行政の責任者となった羽太正養が、寛政一一年から文化四年までの幕府の蝦夷地経営の実際を「後世に伝えるために」、公文書にもとづいて記した詳細な記録。本文は明快な和文体で書かれているが、附録は箱館奉行所に保管されていた公文書や記録類の膨大な史料集になっている。以上のほかにも特殊事項の史料集として「附録別録」四巻(文化三―四年のロシア船の北辺襲撃および東北諸藩の出兵に関する公文書)や「附録一件物」三巻が付されている。羽太は文化四年のロシア船襲撃事件(丁卯の変)に際しての報告不備の責任をとらされて奉行を罷免され本書も中断されたので、その後の松前奉行所時代(文化五年以降)の史料が非常に不備なのは残念である。

活字本新撰北海道史」第五巻史料一・続々群書類従四・北方未公開史料集成四

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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