会員制図書館(読み)かいいんせいとしょかん(その他表記)subscription library

図書館情報学用語辞典 第5版 「会員制図書館」の解説

会員制図書館

英国および米国で18~19世紀に発達した図書館の一種で,近代公共図書館の先駆的存在.利用者が何らかの形で図書館の運営費を負担することにより維持される図書館で,多くは年会費の形で支払われた.共同で購入した資料などを参考に時事問題等を議論する「ブッククラブ」と呼ばれるクラブ組織や,フランクリンのフィラデルフィア図書館会社やカーライル(Thomas Carlyle 1795-1881)のロンドン図書館のように,会員組織で恒久的な蔵書を持つ非営利の図書館など,人々が自発的に設立・運営する図書館のことを指す.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の会員制図書館の言及

【図書館】より

…なお,ベーコンの知識分類は,後年アメリカ議会図書館図書分類法に導入される。また18世紀における大衆文学の発生は,貸本屋を生み,産業革命は後に職工学校図書館を登場させ(1823年設立のグラスゴー職工学校図書館が特に有名),やがて有志による会員制図書館が成立して近代図書館への地ならしが行われる。
[近・現代]
 T.カーライルらを発起人とする会員制図書館ロンドン・ライブラリーの成立(1841)に遅れること9年にして,ようやくイギリスでは,公費支弁による公共図書館法の制定をみる(1850)。…

※「会員制図書館」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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