伝導度水(読み)デンドウドスイ

化学辞典 第2版 「伝導度水」の解説

伝導度水
デンドウドスイ
conductivity water

電解質溶液電気伝導率測定のため,とくに精製された水.純粋な水の比電気伝導率の理論値は25 ℃ で5.5×10-8 Ω-1 cm-1 であるが,普通の蒸留水中には空気中の二酸化炭素が溶け込んでいるため,その比電気伝導率は 10-5 Ω-1 cm-1 以上の値を示す.普通の蒸留水を煮沸するか,または二酸化炭素を含まない空気あるいは窒素ガスを長時間通気して溶存二酸化炭素を除去すると,比電気伝導率が 10-5 Ω-1 cm-1 以下の水が得られる.さらに,10-6 Ω-1 cm-1 以下の伝導度水をつくるためには,イオン交換樹脂による精製および硬質ガラスあるいは石英製の蒸留器による再蒸留を行う必要がある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の伝導度水の言及

【蒸留水】より

…蒸留によらずイオン交換樹脂などを用いて,脱塩精製した水も蒸留水と同じように用いることがあり,日本薬局方では蒸留水とあわせて精製水purified waterとよんでいる。また純粋な水は電気抵抗が高く,溶液の導電率測定に用いることができる程度に精製したもの(電気抵抗1×106Ω・cm以上,通常の蒸留水は105Ω・cm程度)は伝導度水conductivity waterといっている。 水はきわめて多くの物質を溶かすため,普通の水,すなわち水道水,井戸水,雨水,河川・湖沼などの水は,各種の無機物あるいは有機物を溶かしていて,純粋な水ではないのが普通である。…

※「伝導度水」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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