蒸留水(読み)じょうりゅうすい(英語表記)distilled water

日本大百科全書(ニッポニカ)「蒸留水」の解説

蒸留水
じょうりゅうすい
distilled water

蒸留によって精製した。水は多くの物質を溶かしやすく、われわれの身の回りにある水、すなわち水道水井戸水、河川水などは各種の有機物、無機物などを含んでいて純粋な水ではない。したがって化学的な操作や医薬品などとして純粋な水が必要なときは、水道水や井戸水などを加熱、沸騰させ、発生した水蒸気を冷却、凝縮させて蒸留水とする。

 蒸留水をつくるのには各種の装置がくふうされている。ガラス製装置では微量のアルカリ、銅製では微量の銅などが混入してくるが、石英製のものでは不純物の混入が少ない。さらに空気中で蒸留すると、空気中の浮遊物が入り込むし、二酸化炭素や空気も溶け込んでくる。したがって精密な実験をするときには、1回蒸留した水に少量の過マンガン酸カリウムを加え、硬質ガラスあるいは石英容器中で再蒸留したものが用いられる。純粋な水の水素イオン濃度(pH)は7であり、これを平衡水というが、空気中に放置すると二酸化炭素を吸収して弱酸性のpH5.7程度となる。

 イオン交換樹脂などを用いて精製した水を蒸留水と同じように用いることがあり、これらをあわせて精製水といっている。

[中原勝儼]

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化学辞典 第2版「蒸留水」の解説

蒸留水
ジョウリュウスイ
distilled water

水の中に含まれているコロイド状物質,溶存物質,その他,種々のきょう雑物を蒸留によって除去,精製した水.石英製の蒸留器純度のよい水が得られる.普通,用いられる蒸留水は比抵抗5×105 Ω cm 程度のものであるが,蒸留を繰り返すとさらに純度のよい水が得られる.蒸留水は空気に触れると二酸化炭素を吸収して弱酸性(pH 約5.7)になる.各種薬品の調製,試験など多方面に用いられる.注射液にはとくに高圧蒸気滅菌した滅菌蒸留水が用いられる.[CAS 7732-18-5:H2O]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディア「蒸留水」の解説

蒸留水【じょうりゅうすい】

蒸留によって精製した水。薬局方ではpH,塩類その他について一定の純度を規定する。化学実験薬剤調合などに使用。空気中に放置すると炭酸ガスを吸って弱酸性(pH5.7くらい)になる(平衡水)。なお,精密な微量分析や半導体製造などには,特殊な分離膜によって得られたより高純度の水(純水超純水)が用いられる。

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世界大百科事典 第2版「蒸留水」の解説

じょうりゅうすい【蒸留水 distilled water】

蒸留によって精製した水をとくにこのようによぶ。蒸留によらずイオン交換樹脂などを用いて,脱塩精製した水も蒸留水と同じように用いることがあり,日本薬局方では蒸留水とあわせて精製水purified waterとよんでいる。また純粋な水は電気抵抗が高く,溶液の導電率測定に用いることができる程度に精製したもの(電気抵抗1×106Ω・cm以上,通常の蒸留水は105Ω・cm程度)は伝導度水conductivity waterといっている。

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