佐伯幸三(読み)サエキ コウゾウ

20世紀日本人名事典 「佐伯幸三」の解説

佐伯 幸三
サエキ コウゾウ

昭和期の映画監督



生年
大正1(1912)年12月4日

没年
昭和47(1972)年12月27日

出生地
東京・芝

学歴〔年〕
早稲田中中退

経歴
昭和10年大都映画に助監督として入社。13年のサイレント「喧嘩囃子・日本銀次」で監督デビュー。16年の「決戦般若坂」まで25本を撮る。その後大都を吸収した大日本映画製作(現・大映)に移り、第一作「華かなる幻想」で注目される。新東宝東映松竹にも招かれる売れっ子となった。32年フリーとなり東京映画、宝塚映画など東宝系で活躍。東宝のドル箱となった「駅前シリーズ」24本中、「喜劇・駅前女将」から遺作「喜劇・駅前満貫」まで連続12本を担当した。他の作品に「逢魔の辻」(16年)「瞼の母」(27年)「自由ケ丘夫人」(35年)「河内風土記」(38年)など。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の佐伯幸三の言及

【駅前旅館】より

…ほぼ同じころの東宝のヒット作〈社長〉シリーズとともに,複数の主人公による群像ドラマである点に特色があり,出演者は,森繁,淡島のコンビのほか,伴淳と森光子,あるいは乙羽信子,フランキーと池内淳子あるいは大空真弓のカップルがほぼ一定し,淡路恵子が男たちの浮気心をそそる役柄で毎回登場するほか,三木のり平,沢村貞子が多く出演した。監督は数人交替したが,佐伯幸三が第7作から第18作までの12本を手がけて圧倒的に多く,また第2作から第16作までの脚本は長瀬喜伴が担当し,シリーズのパターンを決定した。初期にはそのパターンの力によって笑いのエネルギーが満ちていたが,やがてパターンもすりきれ,末期にはドタバタもくすぐりも不発となった。…

※「佐伯幸三」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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