佐庄(読み)ちくさのしよう

日本歴史地名大系 「佐庄」の解説

佐庄
ちくさのしよう

千草ちくさ地区一帯に比定される。貞応二年(一二二三)の淡路国大田文に禅林ぜんりん新熊野いまくまの(現京都市左京区若王子神社)領の庄園として「筑佐庄」がみえ、田二〇町、畠で構成される。地頭由良ゆら庄同様当初賀加兵衛佐であったが、承久の乱後幕府に没収され、宇治合戦で功のあった下総千葉氏の一族木内二郎(胤家)に替わった。延慶二年(一三〇九)一二月二七日、「筑佐郷八幡宮」に平氏福裕女から鰐口が奉納された(満泉寺蔵鰐口銘)。延文二年(一三五七)九月二三日足利義詮御判御教書(若王子神社文書)では「淡路国由良庄筑佐方領家・地頭・惣追捕使職」に対する広田大和弥九郎の押妨を退け、新熊野社別当代官への返付が命じられており、この頃までに筑佐庄は南東に隣接する禅林寺新熊野社領で地頭も同じくする由良庄の「筑佐方」とよばれるようになっていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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