洲本市(読み)スモトシ

デジタル大辞泉 「洲本市」の意味・読み・例文・類語

すもと‐し【洲本市】

洲本

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日本歴史地名大系 「洲本市」の解説

洲本市
すもとし

面積:一二四・三〇平方キロ

淡路島東岸の南半部に位置する。東は大阪湾に面し、北は津名つな郡津名町、北西は同郡五色ごしき町、西は三原みはらみどり町・三原町・南淡なんだん町、南は諭鶴羽ゆづるは山地が紀伊水道に落ちる断層海岸となっている。北西部は北東から南西へ連なるせん山山系で限られる。中枢部は東流して海に入る洲本川と、その支流で北流する千草ちくさ川と北東流する樋戸野ひどの川の沖積平野の上にあり、周辺を丘陵地が取巻く。北部東端海岸沿いを南下してきた国道二八号は、中央部市街地から西に折れて緑町へと抜ける。北西部を北東から南西へ神戸淡路鳴門自動車道が通り、おさめ地区に洲本インターチェンジが設けられている。

〔原始〕

遺跡の分布は洲本川中流域から下流域の左岸に集中する。旧石器時代の遺跡は明らかでないが、由良ゆら町由良の真野谷まのたに遺跡から有舌尖頭器が採集されている。縄文時代の遺跡も少なく、発掘された前期―中期の宇山の武山うやまのたけやま遺跡のほか、金屋かなや金屋大池かなやおおいけ遺跡、池内いけのうち池の内大池いけのうちおおいけ遺跡が知られている程度である。弥生時代になると遺跡数は増加し、武山遺跡では中期前半の方形周溝墓が発掘され、下内膳しもないぜんの下内膳遺跡は弥生時代を通じた拠点的集落である。中期末―後期にかけての丘陵上の遺跡には、竪穴住居跡が発掘されている上内膳の大森谷おおもりだに遺跡・もり遺跡、納の寺中じちゆう遺跡がある。寺中遺跡では六基の方形周溝墓が発掘されている。後期には小路谷おろだに宮崎みやざき遺跡などで製塩が開始される。さらに市内からは銅鐸三口が出土している。古墳時代の集落は、下内膳遺跡で前期の竪穴住居跡、森遺跡では中・後期の竪穴住居跡八棟が発掘されている。製塩遺跡も中心街付近の旧城内きゆうじようない遺跡、山下町居屋敷やましたちよういやしき遺跡などがある。古墳は淡路島全体でも一〇〇基程度であり、前方後円墳は一基も知られていない。市内では現在約二一基が知られ、前期古墳の可能性があるのは三角縁神獣鏡が出土したと伝える下加茂しもがものコヤダニ古墳のみである。また宇山の宇山牧場うやまぼくじよう一号墳からは、五銖銭と超小型鏡が出土している。後期古墳では、下加茂のバベのもり古墳は緑泥片岩を竪穴式石室材に、下加茂の下加茂岡しもがもおか古墳では緑泥片岩製の箱式石棺を納めている。後期の横穴式石室墳では、上物部の曲田山かみものべのまがたやま古墳が最大の規模を有している。ほとんどが横穴式石室墳からなる安乎町平安浦あいがちようへいあんうら厚浜台あつはまだい古墳群は、八基が群集した最大の古墳群である。奈良時代以降の遺跡では、下内膳遺跡から掘立柱建物跡が発掘され、円面硯や緑釉陶器が出土し、官衙的な様相を示している。


洲本市
すもとし

2006年2月11日:洲本市と津名郡五色町が合併
【五色町】兵庫県:津名郡
【洲本市】兵庫県

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「洲本市」の意味・わかりやすい解説

洲本〔市〕
すもと

兵庫県南部,淡路島の中央部にある市。東は大阪湾,西は播磨灘に面する。島の経済,行政,交通の中心地。 1940年市制。 1947年上灘村,1955年由良町,中川原村,安乎村を編入。 2006年五色町と合体。中心市街地は江戸時代に三熊山のふもとに城を構えた蜂須賀氏の家老稲田氏の城下町として発展。古くから貝ボタンの特産地。明治中期,洲本川下流部がつけ替えられ,その後,旧河川敷に紡績工場が立地し,港も近代化された。第2次世界大戦後は電機工場も進出。周辺の農村部では米作,畜産,タマネギの栽培が行なわれる。また由良港はじめ沿岸部ではノリ,ワカメなどの養殖漁業が営まれる。洲本城跡は国の史跡。色とりどりの小石からなる五色浜,三熊山,由良の成ヶ島,生石鼻海岸,先山瀬戸内海国立公園に属する景勝地。南部の立川はスイセンの名所。洲本温泉がある。国道 28号線 (四国街道) ,本州四国連絡道路の神戸淡路鳴戸自動車道などが通る。面積 182.38km2。人口 4万1236(2020)。

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