使い切りロケット(読み)つかいきりろけっと(英語表記)expendable rocket

知恵蔵 「使い切りロケット」の解説

使い切りロケット

再使用のきかないロケット。従来の使い捨てロケットという語にかえて、「使い切り」という語が使われ始めた。宇宙往還機の時代になっても、使い切りロケットの重要性は変わらない。様々な規模の使い切りロケットを用意して、ミッションの規模に応じて弾力的に使い分けるのが、各国の趨勢となっている。米国ではデルタアトラスタイタンペガサストーラスアテナなど、欧州ではアリアンIV、アリアンV、中国は長征シリーズ、インドはPSLV、GSLV、ロシアはプロトン、ソユーズ、コスモス、ツィクロン、ゼニット、モルニア、ドニエプル、イスラエルのシャビットなどがある。日本は、JAXAのH‐IIAロケットとM‐Vロケットがあるが、2010年頃を目標にGXという使い切りロケットの開発が民間で始まった。すでにペガサスなどで運用されている航空機からの使い切りロケットの発射が、注目されつつある。

(的川泰宣 宇宙航空研究開発機構宇宙教育センター長 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android