ソユーズ(英語表記)Soyuz

翻訳|Soyuz

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ソユーズ」の意味・わかりやすい解説

ソユーズ
Soyuz

ロシアの有人宇宙船軌道船,司令船,機械船の 3部からなり,頭部の軌道船は球形で,作業室と休養室がある。胴の部分の司令船は円錐形で 3人分の座席があり,宇宙飛行を終えると司令船だけが地球に帰還する。後部円筒形の機械船で,逆噴射用のロケットなどが積まれ,外側に 2枚の太陽電池がついている。全体で長さ約 8m,直径約 3m,重さ約 7t。初飛行は 1967年4月で,ウラジーミル・M.コマロフ乗船。1968年10月無人の 2号に G.ベレゴボイの乗った 3号が 2回ランデブーした。1969年1月に V.シャタロフの 4号と,A.エリセイエフ,Y.フルノフ,B.ボルイノフの 3人乗りの 5号が史上初の有人宇宙船同士のドッキングに成功,フルノフ,エリセイエフの 2人が宇宙遊泳して,4号に乗り移った。1969年10月には 6,7,8号が相次いで軌道に乗り,それぞれ 5日間の飛行を行なった。この間,6号は遠隔操縦による宇宙溶接実験などに成功。1970年6月の 9号は,424時間59分の長時間飛行の記録をつくった。1971年4月の 10号はサリュート1号とドッキング。6月には 11号がサリュート1号とドッキングし,3人がサリュートに移乗,初の有人宇宙ステーションを構成した。11号は地上に着陸したが,3人は死亡していた。1970年代末までに 34号まで打ち上げられ,1979年12月からは新型ソユーズTシリーズが,1987年2月からはソユーズTMシリーズが,2002年10月からはソユーズTMAシリーズが打ち上げられた。

ソユーズ
Soyuz

ソビエト連邦人民代議員のうちの保守派グループを指し,同盟を意味する。バルト3国などの民族問題をきっかけに 1990年2月 14日に結成された。ソユーズの目的は,多民族国家ソ連維持強化,つまり社会主義の理念に忠実な連邦を推し進めることにあり,1990年末にはワジム・V.バカーチン前内務大臣の更迭要求や,エドゥアルド・A.シェワルナゼ前外務大臣の対西側協調路線への激しい非難を行なった。ミハイル・S.ゴルバチョフ大統領の民族,および国内経済問題への取り組みに対しても「優柔不断」として批判的であった。

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