普及版 字通 「俟」の読み・字形・画数・意味


9画

(異体字)竢
12画

[字音]
[字訓] まつ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は矣(い)。矣は喩(ゆ)母の字で、也(や)に施(し)、羊(よう)に(祥)(しよう)の声があるように、矣に俟(し)の声がある。矣は厶(し)(耜(すき)の象形字(し)の楷書形)に呪器としての矢を加えたもので、厶を清める意。字はまた竢に作り、立は位、儀礼の場所をいう。〔詩、風、静女〕「我を隅に俟つ」とあり、それが正訓であろう。〔説文〕八上に「大なり」とするのは、〔詩、小雅、吉日〕「(へうへう)俟俟(しし)として 或いは群し或いは友(つれだ)つ」のように用いる状態詞からの訓であろう。

[訓義]
1. まつ、特定の場所で待つ。
2. 俟俟は大勢のものが徐行するさま、全体のものがうごくさま。
3. 大きい。

[古辞書の訓]
名義抄〕俟 マツ・マウチ(ケ)・ツネニ・ニクム・ツブサニ・サフラフ・マツリゴト・マタシ

[語系]
俟(竢)zi、待ddiは声近く、みな待つ意がある。等tngもその意に用いることがある。寺(じ)声の字は、一定の状態を持続する意、俟はその変化・効用があらわれるのを待つ意の語であろう。

[熟語]
俟候俟嗣・俟俟俟時俟次俟望俟命俟門
[下接語]
行俟・静俟・先俟・列俟

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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