しし

日本大百科全書(ニッポニカ)「しし」の解説

しし

肉を意味する古語で、「宍」「肉」の字をあて、食肉や人体の肉をさす。また「」の字をあてて、食肉の供給源であったけだものを総称し、なかでもシカとイノシシをさすことが多いが、これは、とくにその肉が好んで食されたことによるものと考えられる。シカは「かのしし」ともいい、イノシシともども「しし」の語と密接な関係があるが、このことは『古語拾遺』(807成立)に、大国主命(おおくにぬしのみこと)が、骨休めとして農民にウシの肉をふるまい、大歳神(おおとしのかみ)の怒りを買う話が伝えられているように、仏教の殺生禁断の教えが日本人の肉食の習慣、とくに家畜の肉を食することを禁じたため、シカやイノシシが重要な食肉の供給源となった結果とみられる。

[宇田敏彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典「しし」の解説

しし

〙 (多く「と」を伴って用いる) しゃくりあげて泣くさまを表わす語。しくしく。
蜻蛉(974頃)中「御送りせんとしつれど、『きんぢはよからんときにをこ』とて、おはしましぬ、とて、ししとなて」

し‐し

〘感動〙
警蹕(けいひつ)の声。先払いのかけ声。
② 騒々しいのを制止する時にいう声。
③ 動物などを追い払う時に発する語。
④ 人に呼びかける時にいう語。もしもし。→ししもうし

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

羂索

《「羂」はわなの意で、もと、鳥獣をとらえるわなのこと》5色の糸をより合わせ、一端に環、他端に独鈷杵(とっこしょ)の半形をつけた縄状のもの。衆生救済の象徴とされ、不動明王・千手観音・不空羂索観音などがこ...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android