側だてる(読み)そばだてる

精選版 日本国語大辞典 「側だてる」の意味・読み・例文・類語

そば‐だ・てる【攲・欹・側】

  1. 〘 他動詞 タ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]そばだ・つ 〘 他動詞 タ行下二段活用 〙 ( 古くは「そばたつ」 )
  2. 高くそびえたたせる。高くさし上げる。たてるようにする。
    1. [初出の実例]「左手を申(そ)べて掌を側(ソハタテ)て」(出典:大日経義釈延久承保点(1074)一〇)
  3. 斜めにする。傾ける。一方の端をもち上げる。斜めに突き出すようにする。横向きにする。
    1. [初出の実例]「枕をそばたてて、四方(よも)の嵐を聞き給ふに」(出典:源氏物語(1001‐14頃)須磨)
  4. (耳を)かたむける。(目を)みはる。注意力を集中させる。
    1. [初出の実例]「寺僧等、首を低(たれ)、耳をそばたて、涙をながし」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)中)
    2. 「秘蔵の愛馬に西洋鞍か何かで松代から乗り込んで来た時は、京都人は眼をそばだてたものでした」(出典:夜明け前(1932‐35)〈島崎藤村〉第一部)
  5. 踏みしめて立つ。また、つま先で立つ。
    1. [初出の実例]「クビスヲ sobadatete(ソバダテテ) カツゴ セシメ」(出典:バレト写本(1591))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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