精選版 日本国語大辞典 「側だてる」の意味・読み・例文・類語
そば‐だ・てる【&JISF381;・欹・側】
- 〘 他動詞 タ行下一段活用 〙
[ 文語形 ]そばだ・つ 〘 他動詞 タ行下二段活用 〙 ( 古くは「そばたつ」 ) - ① 高くそびえたたせる。高くさし上げる。たてるようにする。
- [初出の実例]「左手を申(そ)べて掌を側(ソハタテ)て」(出典:大日経義釈延久承保点(1074)一〇)
- ② 斜めにする。傾ける。一方の端をもち上げる。斜めに突き出すようにする。横向きにする。
- [初出の実例]「枕をそばたてて、四方(よも)の嵐を聞き給ふに」(出典:源氏物語(1001‐14頃)須磨)
- ③ (耳を)かたむける。(目を)みはる。注意力を集中させる。
- [初出の実例]「寺僧等、首を低(たれ)、耳をそばたて、涙をながし」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)中)
- 「秘蔵の愛馬に西洋鞍か何かで松代から乗り込んで来た時は、京都人は眼をそばだてたものでした」(出典:夜明け前(1932‐35)〈島崎藤村〉第一部)
- ④ 踏みしめて立つ。また、つま先で立つ。
- [初出の実例]「クビスヲ sobadatete(ソバダテテ) カツゴ セシメ」(出典:バレト写本(1591))