先繰(読み)せんぐり

精選版 日本国語大辞典 「先繰」の意味・読み・例文・類語

せん‐ぐり【先繰】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「せんくり」とも )
  2. ( 多く、単独または「に」を伴って副詞的に用いる ) 順おくりに事を行なうこと。つぎつぎに順を追ってすること。順ぐり。
    1. [初出の実例]「曾祖父の木主をば高祖父の廟へ入る。如此次第にせんくりに遷せば、高祖父の木主の置処なし」(出典:応永本論語抄(1420)八佾第三)
    2. 「夫ほどそちのやしきに雪がおきとむなくはせんぐりに隣へはいてやらしませ」(出典:波形本狂言・雪打(室町末‐近世初))
  3. ( ━する ) 人の言動などを推量して早合点すること。さきくぐり。
    1. [初出の実例]「知音ちかづき不時にきたればもし無心にてもきたるやとせんくりしてのとはずかたり」(出典:談義本・風流狐夜咄(1767)五)

さき‐ぐり【先繰】

  1. 〘 名詞 〙さきくぐり(先潜)
    1. [初出の実例]「あまりかしこすぎて、分別いりまがり、さきぐりにて、人の云事、一わうにて、心にうけず、しぶときかたぎ也」(出典:評判記・満散利久佐(1656)野関)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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