化学辞典 第2版 「光伝導性高分子」の解説
光伝導性高分子
ヒカリデンドウセイコウブンシ
photoconductive polymer
光を照射したとき電気伝導率が増加する高分子.光伝導性高分子は,電子写真用材料として,活発に開発が行われた材料である.従来のZnOやSe系の金属材料に比べて透光性がよく,かつフィルム成形できる点ですぐれている.実用化され,もっともよく研究されているものにポリ(N-ビニルカルバゾール)(PVCz)がある.PVCzはそれ自身でも光伝導性を示すが,陽イオン系色素や電荷移動錯体を形成するアクセプターが良好な増感剤として作用する.このほかに,光伝導性高分子としては,ポリ(ビニルナフタレン)などの芳香族系ビニルポリマー,ポリ(ビニルアクリジン),ポリ(2-ビニル-4,5-ジフェニルオキサゾール)などがある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報