全インド農民組合(読み)ぜんインドのうみんくみあい(その他表記)All-India Kisan Sabha

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「全インド農民組合」の意味・わかりやすい解説

全インド農民組合
ぜんインドのうみんくみあい
All-India Kisan Sabha

現代インドで最大規模の農民組織。左派共産党 (マルクス主義) の指導下にある。組合員数は 1260万人 (1992年9月の同組合第 27回大会報告) で,西ベンガル,ケララ両州で圧倒的な勢力基盤をもつ。イギリス植民地時代の 1936年,インド国民会議派の左派グループにより創立された。独立後は一時極左路線が提起されたが,農民の資本主義化と土地改革が進むなかで,連邦政府に対する反税闘争を反地主闘争に加えて進めた。 60年代以降,農業発展の地域差が明瞭化し,西ベンガル州では左派共産党 (マルクス主義) 指導下の政権で徹底した貧農雇農の保護政策が進められた。他方,ビハール州のように依然として地主制度が強固なところでは小作権保護を中心とした運動が進められ,パンジャブのように,農業労働者の雇用条件の改善が運動の主眼にされている。なお,81年には同組合の関連組織として全インド農業労働者組合が新発足し,特にケララ州アンドラプラデーシュ州で勢力を強めている。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「全インド農民組合」の解説

全インド農民組合(ぜんインドのうみんくみあい)

キサーン・サバー

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の全インド農民組合の言及

【インド[国]】より

…正式名称=インドBharat∥India面積=328万7263km2(ジャンムー・カシミール(12万1667km2)を含む)人口(1996。ジャンムー・カシミールを含む)=9億5296万人首都=ニュー・デリーNew Delhi(日本との時差=-3.5時間)主要言語=ヒンディー語(公用語),英語(準公用語),テルグ語,アッサム語,マラーティー語,ベンガル語,タミル語など憲法にあげられている17の地方の公用語通貨=ルピーRupee国名はヒンディー語ではバーラトBharatという。…

【国民会議派】より

…農村においては地主階級をも基盤とするこの組織の指導部は,したがって,第1次大戦以降労働者や下層農民が独自の階級的要求を掲げて運動を展開し始めると,しばしばこれを抑止し,指導部と党員大衆の間に利害の対立も生じた。こうした階級的要求実現の闘争は,しだいにインド共産党(1925創立),全インド労働組合会議(AITUC,1920結成),全インド農民組合(AIKS,1936結成)によって担われていった。そして初め国民会議派に所属して活動していた社会主義者や共産主義者たちは,45‐47年にこれから離れ,それぞれ独自の政党へと結集していく。…

※「全インド農民組合」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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