全国書誌(読み)ぜんこくしょし(その他表記)national bibliography

図書館情報学用語辞典 第5版 「全国書誌」の解説

全国書誌

ある一国で刊行されたすべての出版物を網羅的,包括的に収録した書誌.広義には,その国に関する全著作,他国に在住しているその国の国民による著作,その国の言語で書かれた他国での著作を含むこともある.全国書誌は新しい出版物を網羅的に収録するために,定期的継続的に発行されることが多く,日本の『全国書誌』(1955-  創刊時は『納本週報』,冊子体の発行は2007年に終了,現在は国立国会図書館ホームページで「全国書誌提供サービス」としてデータ提供),英国British National Bibliography(1950-  )などがある.またそのデータは,従来はMARC形式で提供されてきたが,近年はよりウェブに適した形でも提供されるようになった.それらの速報的な書誌をもとに累積版が作成され,また遡及して全国書誌が作成されることもある.全国書誌はその国の代表的な中央図書館や書誌作成機関で作成されることが多く,一次書誌として機能する.また,書誌情報の標準化にも重要な機能を果たし,特に国際的な書誌情報の流通に寄与している.各国の全国書誌を集大成すれば世界書誌ができることになる.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報

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