化学辞典 第2版 「全安定度定数」の解説
全安定度定数
ゼンアンテイドテイスウ
overall stability constant
全生成定数ともいう.溶液中で錯体の生成は金属イオンおよび配位子の濃度によって決まる.一般には,次のN個の平衡が成り立っている.
M + L = ML
ML + L = ML2
MLN-1 + L = MLN
ここで,Nは金属イオンMに配位子Lが配位する最大の数である.[ ]でそれぞれの化学種の濃度を表すと,各平衡の平衡定数は,
の二つの表し方がある.このうち,βと書き表した平衡定数を全安定度定数といい,Kを逐次安定度定数という.
βk =
の関係がある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報