化学辞典 第2版 「逐次安定度定数」の解説
逐次安定度定数
チクジアンテイドテイスウ
stepwise stability constant
逐次生成定数,逐次平衡定数ともいう.溶液中金属イオンと単座配位子は金属錯体を形成するが,このとき単座配位子が1個配位したものからN個配位したものまで生成し,N個の平衡が成り立っている.Nは配位子によって,また金属イオンによって変化し,たとえば Co2+ では配位子が Cl- のとき4で,NH3のとき6である.一般には,次のN個の平衡が成り立っている.
M + L = ML
ML + L = ML2
MLN-1 + L = MLN
各平衡を表す平衡定数は,[ ]でそれぞれの化学種の濃度を表すと,
で,これを逐次安定度定数という.一組の Ki は配位子の濃度変化に伴って,存在する化学種を推定するのに用いられる.一般には,Ki はiが1のときがもっとも大きく,順次小さくなる.[別用語参照]全安定度定数
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報