公共事業費(読み)こうきょうじぎょうひ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「公共事業費」の意味・わかりやすい解説

公共事業費
こうきょうじぎょうひ

国の一般会計歳出の主要経費別分類における公共事業関係費,地方公共団体の一般会計歳出における投資的経費 (歳出の性質別分類における普通建設事業費,災害復旧事業費,失業対策事業費の合計) のうちの公共事業費 (単独事業費と区別して国庫補助を伴う補助事業費) の総称。その基本的な性格は,その財源が税収入もしくは将来の税財源で元利を償還する公債金収入でまかなわれ,その施設の利用は無料でなされるきわめて公共的性格の強い施設の建設に関する事業費であるという点にある。その財源については,財政法4条,地方財政法5条の規定に基づき,建設国債ならびに建設地方債の発行が認められている。この公共事業費は社会資本整備と景気への配慮から,従来,一般歳出のなかでも例外的に高い伸びを保証されてきた。事業の中身としては道路整備,治山治水のほか工業用水,港湾,農業農村整備など産業基盤の整備に多くが費やされてきたが,配分比が硬直化している傾向も指摘され,財政制度等審議会は産業基盤整備を抑制し,住宅,下水道,公園など生活環境に重点投資するよう提言している。

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