…旧刑事訴訟法までは訴因の語はなく,当事者主義を徹底させるためアメリカ法の示唆を受けて現行刑事訴訟法に導入されたものである。同法は,起訴状に被告人の氏名,罪名のほか公訴事実の記載を要求し,その公訴事実は〈訴因を明示してこれを記載しなければならない〉と規定する(256条2項,3項前段)。こうして裁判所に対して審判の対象を明らかにする(同時に被告人側に防御の目標を示す)のである。…
※「公訴事実」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」