精選版 日本国語大辞典 「検察官」の意味・読み・例文・類語
けんさつ‐かん ‥クヮン【検察官】
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ロシアの作家ゴーゴリの5幕喜劇。1835年作。〈喜劇を書きたくて手が震えるほど〉の状態で一気呵成(かせい)に書き上げられた。ペテルブルグの役人生活に失敗し無一文で故郷へ帰る途中の,頭のいささかからっぽな若い男フレスタコフは,ある田舎町で町政巡察の検察官にまちがえられる。彼は,町長はじめ横領などで脛(すね)に傷をもつ役人たちの賄賂攻勢を利用して彼らを手玉に取り,金を巻き上げ,ころあいを見計らって遁走する。その後で本物の検察官の到着が知らされ,一同茫然(ぼうぜん)となったところで幕が降りる。ゴーゴリはこの作品で〈あらゆる醜悪なものをひとまとめにして一挙に嘲笑してやろう〉としたのである。題辞〈自分のつらが曲がっているのに鏡を責めてなんになる〉からわかるように,その意図は人々を道徳的に目覚めさせることにあったが,それは理解されず,1836年の初演後,評価をめぐって左右両派の激しい論争が起こった。劇の構成,人物の設定,せりふの卓抜さなど,19世紀ロシアを代表する戯曲である。日本では1911年楠山正雄が英語版からの訳で紹介し,22年米川正夫が原典からの訳を発表。1911年の新時代劇協会による有楽座での公演が初演。
執筆者:灰谷 慶三
→検察制度
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出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報
…私人訴追を伝統とするイギリスでは,刑事訴追は,おもに,法秩序維持に関心を有する一私人としての警察官をとおして行われる。一方,検察制度成立後のヨーロッパ大陸では,国家機関である検察官が刑事訴追を行う中心的存在となった(国家機関のみが刑事訴追を行うことを〈国家訴追主義〉という)。もっとも,これらの国でも,一定範囲の軽罪に対する私人訴追や私人の公訴参加など被害者が手続を開始させたり,手続に関与することも認められている。…
…検察官は,刑事事件につき公訴を行うことを主たる任務とする国家機関であるが,これが制度的に確立されたのは,裁判の長い歴史に比較すればそれほど古いことではない。裁判において裁判官が必要不可欠の存在であるのに対し,訴追者としての検察官は必然的なものとはいえず,近代以前の刑事裁判では,裁判官が訴追者と判断者とを兼ね,事件は〈不告不理の原則〉によることなく裁判所の職権で開始されるのが通例であった。…
…古代ローマの公職者の一つ。戸口総監,検察官などと訳す。市民および家族,財産の市民原簿登録のため4年(後に5年)ごとに2名が民会で選挙され,1年半の任期中,常に共同で執務した。…
…
[捜査機関,捜査の開始]
捜査機関とは,法律により捜査を行う権限が与えられているものをいう。捜査の第1次的担当者は司法警察職員(主として警察官のこと)であるが,検察官・検察事務官も,二次的担当者として捜査に携わる。旧刑事訴訟法までは検察官が第1次的捜査担当者であり,司法警察職員は,その指揮を受けて補助をするにすぎなかった。…
…また1948年,第2次世界大戦後の東京の帝都座などに,〈額縁ショー〉と称する裸体活人画が生まれて一時流行し,のちのストリップショーの先駆となった。歌舞伎のだんまりの中の見得(みえ)や幕切れの絵面(えめん)の見得,ゴーゴリの風刺喜劇《検察官》の突然の静止による最終場面なども広義の活人画といえよう。【河竹 登志夫】。…
※「検察官」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...
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