共同訳聖書(読み)きょうどうやくせいしょ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「共同訳聖書」の意味・わかりやすい解説

共同訳聖書
きょうどうやくせいしょ

キリスト教諸教派間,特にカトリックプロテスタントの協力によって翻訳され,諸教派の間でともに用いられている聖書。第2バチカン公会議 (1962~65) によってその必要が説かれてより,エキュメニズム一環として各国において翻訳事業が軌道に乗り,すでに新約旧約ともに完成した国が多い。アジアでは韓国,タイなどに次いで日本でも,ハリストス正教会を除く主要キリスト教派の協力のもとに新約聖書が完成し,1978年に日本聖書協会より刊行,さらに 87年には同協会より新旧約聖書の新共同訳が刊行された。英語の共同訳聖書「アンカー・バイブル」 Anchor Bible (64~67) にはユダヤ教側も協力している。

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世界大百科事典(旧版)内の共同訳聖書の言及

【聖書】より

…ユダヤ教,キリスト教の聖典。英語のバイブルBibleなど,西欧語での聖書の呼称はギリシア語のビブリアbibliaに始まる。この語は紙の原料となるパピルスの茎の内皮を指すビブロスbiblosの指小辞ビブリオンbiblion(ビブリアは複数形)に由来し,小冊子や書物の一部という普通名詞であったが,キリスト教会において固有名詞化し,5世紀ごろから聖書全体がビブリアと呼ばれるようになった。聖書はイスラムの聖典コーランのような一人物を通しての天啓の書物とは異なって,古代イスラエル民族と原始キリスト教の長い歴史の流れの中で多くの人々の手になった多様な文書を収めている。…

※「共同訳聖書」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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