共役酸(読み)キョウヤクサン

化学辞典 第2版 「共役酸」の解説

共役酸
キョウヤクサン
conjugate acid

共役塩基に対する用語.ブレンステッドの酸塩基の理論において,ブレンステッド塩基プロトン H が結合したものが,その塩基に対する共役酸である.たとえば,アンモニアNH3は,

NH3 + H → NH4

反応で H を受けとってNH4になるから,NH4はNH3に対する共役酸である.また,

H2O → HOH

の反応で,H2Oを酸と考えれば,OHは共役塩基(酸から H を除いたもの)であるが,

H2O + H → H3O

の反応では,H3OはH2Oに対する共役酸である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

関連語 酸塩基 理論

世界大百科事典(旧版)内の共役酸の言及

【酸・塩基】より

…たとえば実際には次のような場合がある。 酸        塩基 HNO3⇄H+NO3 HC2O4⇄H+C2O42- NH4⇄H+NH3 H2SO4⇄H+HSO4 HSO4⇄H+SO42- HCO3⇄H+CO32-このときの酸と塩基の関係は互いに共役の関係にあり,酸に対しては共役塩基,塩基に対しては共役酸であるという。たとえば,HNO3のような強酸は,弱い共役塩基NO3をもち,強い塩基のCO32-は弱い共役酸HCO3をもつことになる。…

※「共役酸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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